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「『やさしさ』過剰社会」 榎本博明 著 [本(新書/その他)]

コロナもあって、さらにひきこもり気味になってしまいました。
また人間関係に関する本です。

タイトルから今の(職場の)人間関係について思っていることが(以前から感じていた違和感)がぴったりで読んでみました。

「やさしさ」過剰社会 人を傷つけてはいけないのか (PHP新書)

「やさしさ」過剰社会 人を傷つけてはいけないのか (PHP新書)

  • 作者: 榎本 博明
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/11/15
  • メディア: 新書


「その人はほんとうにやさしいのか?」「『やさしさ』がもたらす重苦しい閉塞感」など「やさしさ」についての考察に頷けることばかりだった。

本書で「きびしいやさしさ」というのが出てきた。「今傷つけないように全力を尽くすこと」を要求するという。

ここからは個人的な話だが、今の職場で部署が異動になった。同じ職場なのに、前と今の環境の違いに驚いた。以前、同じ部署の人と関係が悪くなったことがあって、仕事以外の余計なことは誰とも話さないようにしていた。聞かれたり、言われることは返すけど、自分はこういうタイプの人間というのをわかってもらうつもりで、わりと自分を出していた。
私の仕事にことごとく口出しをしてくる、すごく苦手な人がいた。

自分の仕事は、ほぼ個人でやる仕事だ。求められるのは正確さの部分が大きい(速さも)。長年やっていて自分のやり方がある程度確立している。不具合を出さなければOKで、過程のやり方なんてほとんど個人のものだ。

ある時期から、本来の仕事とはあまり関係がないように思える「どうでもいい」ルールや注意が増えていった。簡単に言うと、私がその「ルール」を守らないから自分の仕事がやりにくいという嫌がらせを受けたのだった。

自分はそういう人は一番苦手なタイプなので流していた。
相手は私に無視されたと思って、ますます言うようになる。自分の言うことを聞かない、従わない。それだけで傷ついて許せない人だったのだ。私の話なんて聞いてもらえるはずがない。(話し合うという視点が全くない。)そんなことをしたら、相手にとって私はますます「自分を否定する、自分を傷つけるやさしくない人」になるのだ。(言われたことの断片をつなげて想像した私の側の見方)

何年も一緒に仕事をしているのだから、私の性格的なものはある程度わかってもらえているつもりだったが(同年代なのに)、自分が思う以上に全然違う見方(取り方)をされていたのだ。

「絶対にやさしくしないと許さないぞ!もし傷つけたら、それなりの仕返しをするからな!」というようなきびしさが感じられるのです。
というのがあったが、納得してしまった。


今の部署は新しく入った私を気遣ってくれる。クセがある人もいるが、許容範囲だ。でも、過剰すぎる人もいて、それはトラブルを回避する「予防的なやさしさ」に思えてしまって、かえってしんどくなる。自分も何だかそういうことを求められる、そうしないといけないのかなという気になってくる。

以前、一緒にいた知っている人もいるが、前の部署でのことや人間関係のことを少し話したいと思っても、重い話はお断りみたいにやんわり返されて、とても話せる雰囲気でなかった。
そういう話題が出て、他の人に少し言っても、軽く「済んだこと」と言って話をそらされた。昼休みに皆の会話を聞いていてもそういう雰囲気だった。

「やさしさ」が「相手の気持ちを察する」より「相手の気持ちに立ち入らない」ことに変化してきたというのがあったが、実感したのだった。

先に書いた人は、仕事の上で少し問題が起こった時、私のせいにするようなきつい言い方をしたと謝罪のメールを送ってきた。自分にとっては「はぁ?」という感じで驚いてしまった。きつい言い方をされた覚えもないし、全くそんな風に受け取っていないのだ。
あまりにも人を傷つけないことに気を遣っていることに驚いた。(自分と同年代で、昔の人間関係が通じると思っていたのだ。)


相手の心に踏み込まない、嫌な気分にさせない、というようなやさしさは、いざというときに助けにならない。だから精神科に相談に来る時代になっている
、というのに、共感してしまった。
そこまで深刻でない、少し話を聞いてもらえたら楽になったり、自分なりの処理方法が見つかるかもしれないのに、逃げられる。なのでますます、自分のような(一部の)人間はひきこもる(一人でいる)しかなくなってしまうことを理解してほしいと思いました。
(いくらか聞いてもらえた人もいたのですが、どこまで自分の本心を言っていいのか、自分のもやもやを増やしそうで、曖昧なことにとどめてしまう。)

多くの人にやさしさや人間関係について考えてほしいです。


 


 


 






 


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