最近の読書 2024年冬 ―覚え書― [本(小説)]
今年最初の小説は、昨年ドラマ化された「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」です。
ドラマを見なければ、まず知らなかった、読むこともなかった小説です。
ドラマを知ったのもたまたまで、調べると原作小説があって興味を持ちました。
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」 丸山正樹 文春文庫
ドラマを見なければ、まず知らなかった、読むこともなかった小説です。
ドラマを知ったのもたまたまで、調べると原作小説があって興味を持ちました。
「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」 丸山正樹 文春文庫
現代物はあまり読まないが、良かった。
ドラマを見ていて話の筋を知っているせいもあるが、すごく読みやすかった。
主人公の荒井尚人は手話通訳士。
仕事にも結婚にも失敗し、再就職に困り、やむなく資格を取る。
でも、仕事の依頼は次々来るようになる。荒井の手話はわかりやすいのだ。
荒井は「コーダ」だった。「両親ともにろう者である聴こえる子」だった。
ある日、法廷通訳の依頼が来る。
荒井は過去に警察事務の仕事をしていて、一度だけ調書の読み聞かせで通訳をしたことがある。被疑者はろう者で、取り調べは、ずさんなもので、荒井にとっては苦い経験だった。
裁判を傍聴していた、支援団体の代表女性と知り合い、荒井は過去と現在の事件に向き合うことになる。
ミステリーとしても良かったが、やっぱりろう者の人たちやその環境を少し知ることができて良かった。
手話には「日本手話」と「日本語対応手話」があるそうだ。後者が一般的に知られている手話で、日本手話はろう者が昔から使っているという。(コミュニケーションがお互い理解しづらかったりする)
共感したのが荒井の心情。
荒井には兄がいるが、兄も聴こえない。家族の中で自分だけが”仲間はずれ”
聴こえる荒井のことは家族にはわからないし、荒井も聴こえない家族のことはわからない。
父が末期がんだとわかった時、医師の言葉を母に伝えたのは荒井だった。
自分がしっかりしなければと、11歳の子どもが泣けなかった。
結婚式では自分が主役なのに、家族の「通訳」で終わった。
デフ(ろう者)・コミュニティの中でも、荒井が「聴こえる」とわかった途端、はなれていく。
一般社会でも、自分が「コーダ」というのは話さない限りわからない。自分と同じ存在に出会うことはない。
「コーダ」という言葉を知って、自分は一人ではなかったのだ、と思った時は、すでに遅かった。
立場は違うが、心情に自分とだぶるところがあった。(他の人物も)
障がいがない人でも共感できる話だと思います。
読めて良かったです。
ドラマも、原作と違うところもあるが、良かったので、興味を持たれた方は見てほしい。
ドラマを見ていて話の筋を知っているせいもあるが、すごく読みやすかった。
主人公の荒井尚人は手話通訳士。
仕事にも結婚にも失敗し、再就職に困り、やむなく資格を取る。
でも、仕事の依頼は次々来るようになる。荒井の手話はわかりやすいのだ。
荒井は「コーダ」だった。「両親ともにろう者である聴こえる子」だった。
ある日、法廷通訳の依頼が来る。
荒井は過去に警察事務の仕事をしていて、一度だけ調書の読み聞かせで通訳をしたことがある。被疑者はろう者で、取り調べは、ずさんなもので、荒井にとっては苦い経験だった。
裁判を傍聴していた、支援団体の代表女性と知り合い、荒井は過去と現在の事件に向き合うことになる。
ミステリーとしても良かったが、やっぱりろう者の人たちやその環境を少し知ることができて良かった。
手話には「日本手話」と「日本語対応手話」があるそうだ。後者が一般的に知られている手話で、日本手話はろう者が昔から使っているという。(コミュニケーションがお互い理解しづらかったりする)
共感したのが荒井の心情。
荒井には兄がいるが、兄も聴こえない。家族の中で自分だけが”仲間はずれ”
聴こえる荒井のことは家族にはわからないし、荒井も聴こえない家族のことはわからない。
父が末期がんだとわかった時、医師の言葉を母に伝えたのは荒井だった。
自分がしっかりしなければと、11歳の子どもが泣けなかった。
結婚式では自分が主役なのに、家族の「通訳」で終わった。
デフ(ろう者)・コミュニティの中でも、荒井が「聴こえる」とわかった途端、はなれていく。
一般社会でも、自分が「コーダ」というのは話さない限りわからない。自分と同じ存在に出会うことはない。
「コーダ」という言葉を知って、自分は一人ではなかったのだ、と思った時は、すでに遅かった。
立場は違うが、心情に自分とだぶるところがあった。(他の人物も)
障がいがない人でも共感できる話だと思います。
読めて良かったです。
ドラマも、原作と違うところもあるが、良かったので、興味を持たれた方は見てほしい。
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