最近の読書 2016年春 その3 ―覚え書― [本(小説)]
「大人の少年少女文学」で書いた、自分の思い出の本「十五少年漂流記」の完訳本である「二年間の休暇」を読みました。(現実でも大型連休だ)
大人になって読んでも、すごくおもしろかったです。大筋は知っている話ですが、続きが読みたくて、上下巻、いつもの四倍ぐらいのペースで一気に読んでしまいました。
夏の休暇を、スクーナーでニュージーランドの海岸を一周して過ごすことになっていた十五人の少年たちが、思いがけない事故のため、無人島に漂着します。
スクーナー(100トンばかりのヨット)があらしの中を漂流しているところから始まって、最初から引き込まれます。
操縦はもちろん、風や潮の状態も読んで判断する(できる)ことに(時代とはいえ)驚きます。
島へ上陸してからも、年長の少年の指揮の下に仕事を分担して、生活を築き上げていくのがすごい。
小学高学年に読んだ時は、わくわく感が大きかったように思うのですが、今読むと、かなり怖い状況だ。そんな中でも団結して知恵を出して生き抜こうとする少年たちに、人間の力について考えさせられました。
勉強をしたり、スポーツを日課にして、充実した生活を送ろうとする発想にも驚かされました。
物語としても、少年たちのドラマがほんとにおもしろいし、人物や個性が生き生きしている。(でも、子ども時代に読んだ本の方が、せりふや人物に、より感情移入しやすかった。ここはこういう描写だったと思い出した。上記の文庫版を選んだのは船の名前が当時と同じ「スラウギ号」になっていたので)。
少年たちの会話や小さなエピソードでもおもしろくて、どのページも読める。(当時はサバイバルというより、この人間ドラマの方が印象に残ったのだ)。
読んでいる時、ちょうど地震で避難生活をされている人を思い出しました。
自分の子ども時代は、わりと有名だった本のように思うのですが、タイトルが変わってから(?)地味な印象で、それほど読まれていないのでしょうか?(借りた本に返却期限のしおりが残っていたが、6年前の日付だった。まさか自分が借りたのは6年ぶり?)
便利になりすぎて、身体や頭を使わなく(使えなく?)なった現代の子どもに、もっと読んでほしいと思いました。(どういう感想を持つのだろう?)
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