アニメ「レディジョージィ」 その２

「レディジョージィ」。今回は話について書きます。

アニメは心情描写が多いのが好きでした。
原作は展開が速すぎるし、エピソードも少なく、物足りなかったので、余分なものでも、ないより良かったのです。

期待していましたが、少女アニメは過去に打ち切りの例もあって、冷めたところもありました。
原作通りやるのは無理だろうと思っていたので、ここまで忠実にやってもらえて、余計うれしかったのです。
（以下ネタばれあり）

子ども時代が長すぎるという感想はよく目にしますが、原作の進行具合から仕方なかったし、のんびりした雰囲気は嫌いでなかった。
オリジナルな話が楽しめました。
成長してからも、原作を膨らませた描写が良かった。せりふが良いです。

終わり方は中途半端ですが、これはこれで好きです。（ハッピーエンドだし）
原作は、十代半ばで人生の大半（？）を経験するような話に"漫画"だと思ってしまう。
アニメの方が、ジョージィがアベルとの未来を暗示させるようで、リアリティがある。
三人でオーストラリアへ帰る（と思う）けど、また二人でジョージィを争う、なんてことにはならないと思う。やっぱりジョージィはいずれアベルを選ぶと思うのです。
アニメでも、アーサーに対する気持ちと差異が出ていたと思う。（２１、２２話など）

キャラクターもアニメの方が好きです。（アベルは原作の方が良いですが）
ジョージィはアニメの方が女の子らしく、上品な感じが良い。（それで男装するところはアニメで少し矛盾があるのですが）。カルさも原作より抑えられていて大人っぽい。

アベルは改変されていますが、当時、あまり気にならなかった。（アニメでそのままするのは無理だと思っていたので）
話を膨らませたり、アーサーとの違いを出すためかなと納得していました。
年齢相応の迷いや繊細さがあって、人間らしさが感じられておもしろかった。
（ただ、子ども時代のアベルがぴったりなので、このイメージで見たかったかな）
アーサーは、上記の点で違和感がなく、良かった。

アニメで好きなのがロエルとエリーズです。（後で書くつもりですが、声優さんの演技がすごく良かったこともある）
特にエリーズの描き方が好きでした。原作では最初良かったのですが、だんだん単に意地悪なキャラになったようで不満でした。
プライドは高いけど理知的だし、ロエルのことがほんとに好きで、一途に思っているかわいさもある。
そういう秘めた感情が、アニメの方が細やかに描かれていました。（最終話のエリーズが好き）

ＤＶＤで２５年ぶりに観て（２４話まで）忘れていたり、違和感を持ったところもあります。
３話で父がけがをする場面はハードでびっくりした。
ジョージィを助けようとして、その結果亡くなる話が嫌でした。

多分、後で母が感情を爆発させて、出生の秘密を明かす（ジョージィを憎むようになる）伏線で、そうしたように思うのですが（元来は優しい母親として描くため）、そうするとアベルたち兄弟にとっては、ジョージィは父の敵にもなってしまう。
ジョージィも自分のせいで父を死なせたことになる。

いくら子どもでも心の傷は残っていて、話の設定が根本から変わってしまいそうなのに、どうしてそんな話にしたのかと思いました。（原作通り、病死でも良かったのでは？）

あと、スキフィンズさんの話は、当時から引っかかりがありました。
１８話でジョージィを捜しに来る話は良いですが、あまりにも簡単に疑いもせず帰るところ。（ジョージィが腕輪をしていると誰も気づいていない設定？）
最初から、形見の品が腕輪でなく、ペンダントとかだったら。もしくは腕にはめていず、別の場所に置いていたら、すっきりしたのでは？（玩具メーカーのスポンサーの思惑？）

３１話でジョージィが女だとばれないところ。（原作から、そうですが）
海に入って（シャツの）身体の線が出ていたはずだし、ましてスキフィンズさんは医者だ。
アニメとはいえ説得力がなくて、何か話を作ってほしかった。

４０話は脚本家の違いで明らかな矛盾があるのが残念です。

（次は脚本、演出について）