最近の読書 2021年春 その２ ―覚え書―

最近の読書、話題の気になっていた本を読みました。


「カカ・ムラド～ナカムラのおじさん」　　原作　ガフワラ　　訳・文　さだまさし　他　　　

カカ・ムラド~ナカムラのおじさん

• 出版社/メーカー: 双葉社
• 発売日: 2020/12/02
• メディア: 単行本

アフガニスタンで、中村哲さんの絵本が出版されました。
中村哲さんは３５年間にわたりアフガニスタンとパキスタンで病気や水不足に苦しむ人々を救い続けた医師です。
本書は２冊の絵本「カカ・ムラド～ナカムラのおじさん」と「カカ・ムラドと魔法の小箱」に解説を加えてまとめたものです。

こんなに心がある絵本を読んだのは、いつ以来かと思ってしまった。涙が出た。（絵本といっても字が多くて、小学高学年ぐらいからの読み物だと思う。むしろ大人に読んでほしい。）

中村さんのことは事件の前から知っていたが、本を読んで、すごい人だと思った。
解説での「一隅を照らす～中村哲医師の生き方」に感動した。

「平和には戦争以上の力があり、平和には戦争以上の忍耐と努力がいる」
中村さんが繰り返し語っていた言葉だそうです。

日本人の生活と比べてしまった。物があって、命の危険にさらされることはほとんどないのに、文句を言ったりけんかをしたり。日本では家族や身近な人たちとの”平和”でさえ、築くことを忘れている（というか放棄している）感じだ。
多くのことを考えさせられた。


「カカ・ムラドと魔法の小箱」はファンタジー風だけど、すごく心に響いた。

「魔法は、乾いた木の箱の中なんかじゃなく『知恵』と『ほんとうのやさしさ』の中にあるんだよ」

「―それは君以外に誰も見つけることはできないんだ。―」


一人の力が多くの大きな力になっていくことも改めて教えられた。
子どもから大人まで、多くの人に読んでほしい本です。