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最近の読書 2021年春 その3 ―覚え書― [本(小説)]

コロナ自粛でまた読書です。
(この時期だと、人によれば気が滅入る本かも・・・)


「ハリネズミの願い」   トーン・テレヘン   長山さき 訳

ハリネズミの願い

ハリネズミの願い

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/06/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

これは以前、学生のビブリオバトルで選ばれた本だったかで、タイトルを覚えていました。
図書館のヤングアダルトのコーナーで目に付いて思い出したのでした。



自分のハリが、みんなを怖がらせると思っているハリネズミが、どうぶつたちを招待しようと手紙を書く。何度か書き直したが、出さないでしまっておく。
それからずっと、誰かが来たら、こんなことが起きるのでは?こんなことを言うのでは?といった、ハリネズミの想像の物語が延々と続くのだ。
59の章があって、何人(匹)ぐらい出てくるのかな。(30匹以上?)
どういう最後になるのだろうと思ったら・・・

人と付き合えない、昔の自分の心境と似ていて、共感してしまった。(ここまでの妄想はないが)

― だれかひとりだけがドアを開けて入ってきて、<孤独>がその横をすり抜けて外に出るほうがもっといい。

ぼくはヘンで恐怖をかきたてて孤独で自信がない。ぼくにはハリがあって、それでもだれかにあそびに来てほしい。でもやっぱりだれにも来てほしくない。


自分の頭の中だけでグルグル廻って考えるが、後半はハリネズミにも少し変化がおとずれるのだ。(こういうのも自分に覚えがある。)

自分の特性について思うところ。
「ぼくは迷いたくないのに迷わざるをえないんだ。―」

ぼくはなにも知らない。ほんとうになにも。

自分が何も知らないことを知って、自分がとてもよくわかっていることを考えはじめたところも心に残る。


ぼくはなにから満足感を得られるだろうか?

ハリはぼくに満足感を与えてくれる!

自分自身の嫌いな部分が誇りを与えてくれるところは、それまでうじうじ考えていることが、そんなに無駄ではなかったことを思い出した。


紹介文には「臆病できむずかしいあなたのための物語」とある。
ひきこもっている人や人とうまくつきあえない人は共感するところがあるのでは?と思います。







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