最近の読書 2019年 絵本 その2 (世界の昔話2) [本(絵本)]
ちょっと重い記事が続いたので、絵本の感想です。
今回はロマンチックな恋の昔話です。
「ノロウェイの黒牛」 なかがわちひろ 文 さとうゆうすけ 絵 BL出版
今回はロマンチックな恋の昔話です。
「ノロウェイの黒牛」 なかがわちひろ 文 さとうゆうすけ 絵 BL出版
ノロウェイの黒牛 -イギリス・スコットランドのむかしばなし (世界のむかしばなし絵本)
- 作者: なかがわ ちひろ
- 出版社/メーカー: ビーエル出版
- 発売日: 2019/03/01
- メディア: 単行本
世界の昔話を検索していて、表紙絵と紹介文に興味を持ちました。
スコットランドの昔話。
身の毛もよだつ怪物といわれるノロウェイの黒牛と結婚してもいいという娘。黒牛の背に乗り、果てしない旅に出ます。
「美女と野獣」を思わせて、どういう展開になるのか、ページをめくるごとにドキドキ。
話としてはこちらの方が好きかも。ロマンチック度が高いし、娘の健気さに感動する。
行く手を阻むガラスの丘が登れなく、鉄の靴を手に入れるためだけに、七年もの間、かじ屋で働くなんて。(用途が少し違うが、その前に出会ったおばあさんに、心がはりさけて耐えられないと思う時、助けてくれる三つの木の実をもらったのだが、使わなかったのだ)
その木の実を割るところが、絵が良くて、娘の心情が伝わってきて、印象に残ります。
絵が重厚なタッチで繊細さもあって美しく、ロマンチックな物語にぴったり。(デビュー作だそう)
お気に入りの絵本になりました。(もっと知られてほしい)
「三つのオレンジ」 剣持弘子・文 小西英子・絵 偕成社
イタリアの昔話。これも、タイトルとロマンチックな表紙絵にひかれて借りました。
「ミルクのように白く血のように赤い娘」という副題が、「白雪姫」を連想した。
ある王子がリコッタチーズとパンを食べていて、ナイフで指に傷をつけてしまい、前述のような娘と結婚したいと思い、旅に出る。
夜にミミズクが陰気な歌をやめないので、持っていた斧を投げるところで、この王子があまり好きになれないと思ってしまった。しかも、このミミズクは魔法使いに姿を変えられたおじいさん(彼も魔法使い)で、王子が傷つけたことにより、元の人間に戻れたという、何とも都合が良い話。
おじいさんは娘をさがす手伝いをしてくれるが、三つのオレンジを取ってこいと言われて、王子が勝手に食べだしたり、言うことを聞かなかったりするのも(でも、望みがかなうのだ)、人間らしいが、ちょっとイメージダウン。
たいてい、娘と結婚して終わりなのだが、これは続きがあるのがおもしろい。
後半は王子も娘を守るので、良かった。
絵がイタリアらしい明るい色彩とヨーロッパの絵画を思わせるタッチが美しく、見ものです。
あとがきを読むと、プロコフィエフの歌劇にもなっている昔話だそうで、びっくり。(でも、上記の「ノロウェイ―」の方が好みだし、おもしろい作品ができそうなのだが)
この絵本のバージョンはトスカーナ地方の82歳の石工が孫やひ孫たちの前で語ったもので、文学的な作品の影響を全く受けていない話とあった。(でも、「赤ずきん」や「親指姫」、先の「白雪姫」も連想した)
身の毛もよだつ怪物といわれるノロウェイの黒牛と結婚してもいいという娘。黒牛の背に乗り、果てしない旅に出ます。
「美女と野獣」を思わせて、どういう展開になるのか、ページをめくるごとにドキドキ。
話としてはこちらの方が好きかも。ロマンチック度が高いし、娘の健気さに感動する。
行く手を阻むガラスの丘が登れなく、鉄の靴を手に入れるためだけに、七年もの間、かじ屋で働くなんて。(用途が少し違うが、その前に出会ったおばあさんに、心がはりさけて耐えられないと思う時、助けてくれる三つの木の実をもらったのだが、使わなかったのだ)
その木の実を割るところが、絵が良くて、娘の心情が伝わってきて、印象に残ります。
絵が重厚なタッチで繊細さもあって美しく、ロマンチックな物語にぴったり。(デビュー作だそう)
お気に入りの絵本になりました。(もっと知られてほしい)
「三つのオレンジ」 剣持弘子・文 小西英子・絵 偕成社
三つのオレンジ―ミルクのように白く血のように赤い娘 (世界の昔話傑作選)
- 作者: 剣持 弘子
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1999/01
- メディア: 大型本
イタリアの昔話。これも、タイトルとロマンチックな表紙絵にひかれて借りました。
「ミルクのように白く血のように赤い娘」という副題が、「白雪姫」を連想した。
ある王子がリコッタチーズとパンを食べていて、ナイフで指に傷をつけてしまい、前述のような娘と結婚したいと思い、旅に出る。
夜にミミズクが陰気な歌をやめないので、持っていた斧を投げるところで、この王子があまり好きになれないと思ってしまった。しかも、このミミズクは魔法使いに姿を変えられたおじいさん(彼も魔法使い)で、王子が傷つけたことにより、元の人間に戻れたという、何とも都合が良い話。
おじいさんは娘をさがす手伝いをしてくれるが、三つのオレンジを取ってこいと言われて、王子が勝手に食べだしたり、言うことを聞かなかったりするのも(でも、望みがかなうのだ)、人間らしいが、ちょっとイメージダウン。
たいてい、娘と結婚して終わりなのだが、これは続きがあるのがおもしろい。
後半は王子も娘を守るので、良かった。
絵がイタリアらしい明るい色彩とヨーロッパの絵画を思わせるタッチが美しく、見ものです。
あとがきを読むと、プロコフィエフの歌劇にもなっている昔話だそうで、びっくり。(でも、上記の「ノロウェイ―」の方が好みだし、おもしろい作品ができそうなのだが)
この絵本のバージョンはトスカーナ地方の82歳の石工が孫やひ孫たちの前で語ったもので、文学的な作品の影響を全く受けていない話とあった。(でも、「赤ずきん」や「親指姫」、先の「白雪姫」も連想した)
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