アニメ「レディジョージィ」 その４

ちょっと間があきましたが「レディジョージィ」、今回はキャストについて書きます。
このキャストも良くて、これだけ適役な人をよく集めてきたなと思うぐらい、当時、気に入っていました。

ジョージィ　　山本百合子さん
「ハロー！サンディベル」でデビューされて、名前は知っていました。
キャストを知った時、「ああ、やっぱり」と納得した感じがありました。
明るい声が合いそうだと思いました。（好きな声です）
演技は年齢の使い分けが良くて、違和感もあまりなかったです。
前半クライマックス（２７話）など、少し弱いところもありましたが、後半（４２話以降）、良くなってきました。

アベル　　堀秀行さん
原作より、ややソフトなイメージですが、アニメ版として許容範囲でした。（ロンドン編はかっこいい）
演技はキャラクターと同様、むらがあるように思いました。
好きな場面もあるのですが、「どういう気持ちでこのせりふを言っているの？」と思う場面も。
でも、最終話（ジョージィとのやりとり）が良いので、これだけで満足なところがあります。


アーサー　　永久勲雄さん
洋画の吹き替えで名前を知っていたかもしれません。その方面の人を持ってきたと、安心したのを覚えています。
実際、自分のイメージにぴったりで、この人しかいないのでは？と思うぐらい。
原作より芯が（意思が）強い感じで、でも、あたたかさがあって、感情表現も的確で、良かったです。

子ども時代のアベルとアーサー　　山田栄子さん　木藤玲子さん
どちらもぴったりすぎる。演技も良かったです。（山田さんはジェシカも良かった）
子ども時代のアベルの方が熱演で、苦悩の色合いが濃いようで、成長してからのアベルは、その辺少し物足りなかった。

バトマン夫人（母）　　上田みゆきさん
アニメ版として良い気もしますが、別の人だと物語全体のイメージも変わりそうで、判断が難しい役です。

ロエル　　三ツ矢雄二さん
以前、少し書きましたが、演技的に一番印象に残りました。
原作より少し強い感じですが、人物が生きているというか、人間的な幅が感じられて、イメージが広がりました。
最初の方はわざとらしさもあるのですが、元のキャラがキザなので、そんなに違和感がない。
病弱になった後半が良かったです。


エリーズ　　玉川砂記子さん　
上記の三ツ矢さんと同様、演技的にすごく気に入っています。（声質もぴったり）
原作で不満だった、自分のイメージのエリーズを見事に再現してもらえました。（脚本も良かったですが）
抑えた演技にも、感情がすごく伝わってきました。

脇役の人も皆、ぴったりでした。
キャサリンの小山茉美さんは、はまり役みたいです。
バーンズ夫人の松島みのりさんも、演技が良かった。
アーウィンの速水奨さん。妖しい声に、原作よりインパクトあります。
マリアの秋山るなさんも、（原作の）甘えた感じがなく、自然な（？）かわいさが好きでした。

他にも津嘉山正種さん、富山敬さん、新人の竹村拓さんなど豪華なキャストでした。

４回にわたって「レディジョージィ」の好きなところや思うことを書きました。（書き忘れたものもありますが、とりあえずこの辺で）。
ここまで心に残ったのは（後の劇的な再会もあるのですが）、やっぱりアニメ化というのが大きいと思います。（当時は今のように、漫画や小説の映像化というのは少なかったので）

自分の想像の世界が、話したり動いたりして立体的なものとして目の前にあるのが、自分には現実の追体験のように感じられたのかなと思います。（説明するのが難しい。後に宝塚に夢中になるのもこれと同じような気持ちだと思う）。
制作者の方が何百人も関わって、"ジョージィ"のことを考えているというのが、思いを共有できるような、つながれるような気持ちで、何だかわくわくしました。これも初めての経験かもしれません。

ついでにアニメの話をもう少しすると"ジョージィ"と対照的なのが「グイン・サーガ」（２００８年）です。
これも原作が好きで、アニメ化には"ジョージィ"以上に期待したのですが、あまりのひどさに封印したいです。
個人的に、今まで観たアニメで（８０年代前半ぐらいまでが主ですが）一番ひどいのでは？（怒りすらある）と思うアニメでした。
（イメージの違いとかでない、もっと根本的なもの。特に演出は、漫画やアニメのプロとして考えられないぐらいで、意図が理解できないです）。