いがらしゆみこさんの漫画 その２

先月、いがらしゆみこさんの漫画「キャンディ・キャンディ」の思い出について書いたので、今回は「メイミー・エンジェル」です。（以前書いた記事とだぶるところもあるが）

世代が違う人にはタイトルも知られていない（世代の人にもスルー？）と思うが、アニメ化された「キャンディ・キャンディ」と「ジョージィ！」の間に「なかよし」で発表された作品で、自分にとっては”メイミー”が一番思い入れがあるかもしれません。

メイミー・エンジェル 全3巻完結 (文庫版)(中公文庫) [マーケットプレイス コミックセット]

• 作者: いがらし ゆみこ
• 出版社/メーカー: 中央公論社
• メディア: コミック

メイミー・エンジェル 1~最新巻(講談社コミックスなかよし) [マーケットプレイス コミックセット]

• 出版社/メーカー:
• メディア: －

思い入れがあるのは、”メイミー”は連載の最初から最終回まで１年半以上つきあった作品であること。（雑誌での印刷（インク）の色や扉絵も結構覚えているのだ。）
”キャンディ”と”ジョージィ”三作品の中で絵が一番きれいでていねいなこと。テーマやメッセージみたいなものも一番伝わってくること。（せりふに残っているものが結構ある。）
原作付きでないオリジナルで、他の少女漫画にもあまりない西部劇であること。

”キャンディ”に比べると、話のおもしろさは落ちるけど、自分が少女漫画に目覚めた時期に読んだ（遅いが）ことや、当時好きだった海外ドラマ「大草原の小さな家」と舞台が似ていたこと、子どもの頃に親しんだ少女名作の影響で外国物が好きだったこと、いがらしさんの絵が好きだったこと、などで毎月楽しみだった。

物語の舞台は西部開拓時代、アメリカのミズーリ州（？）。主人公のメイミーは母親と二人の姉と楽しく暮らしていた。メイミーはジョニーという少年と出会って仲良くなりますが、彼は西部へ旅立ちます。亡き父の夢でもある西部への思いは、メイミーの中で大きく広がっていきます。
メイミーが13歳になった時、一家は西部を目指して旅立ちます。

その後、いろいろあってメイミーは家族と別れて一人幌馬車隊に残り、いとこのアルマンのいるワイオミングに着くのですが、そこで待っていたのは土地を一人じめしようとするダルトン一家の罠でした。

第一部が中途半端なところで終わって、少し挫折しかけたのだが、第二部開始の月（79年11月号）の西部の見開き扉絵に感動して、続きにわくわく期待したのを覚えている。メイミーのアップにジョニーの全身像、他の登場人物たち。西部の背景の色使いがすごく好きだった。（ここに描かれたキャラが出てこず、いがらしさんの構想ではどういう話になるはずだったのか？気になっている。）
物語の展開も気になるが、西部の自然や幌馬車隊の絵など、背景描写にすごく引き込まれた。

当時、印象に残っているのは80年6月号、ラストシーンでジョニーが馬で荒野を駆ける回。まるで映画みたいに、その荒野が、人物が実在しているみたいに思えた。（続く７月号も絵がハードで印象に残っている。）

他にはエヴァがジョニーから父をかばう場面（二人のせりふが残っている）とか、ラスト３回の話が（当時はあまり思わなかったが）今読むと好きです。
”メイミー”が印象に残っているのは、最終回が一番盛り上がるというかクライマックスだったから、というのに今気づいた。ラストシーンも”キャンディ”と同じぐらい名場面だと思う。
あとメイミーとアルマンのキスシーンにすごくドキドキした。（これは、当時読んだ漫画の中でも一番残っているラブシーン。絵がなんて美しい。）


キャラも皆、個性的で好きなのだ。（ダルトンと長男、次男は別だが）
当時好きだったのはエヴァとビバリー。エヴァはいがらしさんのキャラの中でもすごく印象に残っている。（ちなみに名前もぴったりで好き）
ハードな話の中で、ラングさんの五人きょうだいがほっとする。

ジョニーとアルマンはジョニーの方が好きかな。（好きというより、物語が進むにつれ、変化したり、違う部分が出てくるキャラを見るのがおもしろいのです。）
アルマンは出来すぎな感じで、（好きだけど）当時からあまりひかれなかった。
メイミーは外見（髪型が好き）や性格も感情移入しやすかった。

（ちなみにアニメ「レディジョージィ」が”メイミー”が少し入っている気がする。フルネームを呼ぶと言うことを聞く犬のジュニアやジョージィの夢がお嫁さんというのが。）

昔の漫画だけど、興味を持たれた方は（電子書籍で読めるので）読んでみてください。