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最近の読書 2021年夏 その2 ―覚え書― [本(小説)]

ちょっと久しぶりです。いつの間にか8月も半ばになってしまいました。

最近の読書、今回は珍しく、ミステリーと冒険物です。(実際読んだのは春なのですが)


「十角館の殺人」   綾辻行人   講談社文庫

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/04/19
  • メディア: Kindle版


ネットでミステリーのおすすめや読むべき名作に必ずといっていいほど挙がっていて、読もうと思っていたが、やっぱり小説でも殺人が起こるのは、精神的にもしんどくなってきて、何年も前から機会を逃してきました。

最近ようやく少し落ち着いてきたので、挑戦しました。


大どんでん返しや驚愕の結末というのを見ていて、期待しすぎたのか、正直、思ったほどでもなかった。

大学の推理小説研究会のメンバー七人が、十角館がある孤島で一週間をすごす。そして起こる連続殺人。予告状が置いてあった時点で、もう怖くて読めるかなと思った。

話の枠組みはプロローグでわかる。犯人が復讐の名の下に裁くのだ。
でも、その動機と殺人にギャップがあって「どうしてそこまで?」と思ってしまった。
被害者がかわいそうで、これは小説だからと思おうとした。

でも、やっぱり謎解きはおもしろくて、どんどん読ませる。普通に考えれば、招待者が一番怪しいじゃないかと思ったり、途中過去のもう一つの事件が出てきたり、想像するのは楽しかった。

ただ、登場人物があまりにものん気すぎて、違和感があった。(35年近く前の作品だし)仲間が死んだのに、会話もわりと普通で、平気で入れたコーヒーが飲めたり、一人で眠れたり。

なので途中で、自分はこれはミステリ研究会の会誌に載せる、誰かの小説なのでは?なんて思ったのだ。小説の中で小説を書いて復讐するみたいな。(素人の考えです。)

アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」が元ネタというのはすぐにわかったが、「そして誰も―」は海外の古典で小説として楽しめたけど、日本が舞台で大学生だと、リアルで怖くて、そうあってほしい、なんて思ってしまった。

犯人を知った時は思わず「えっ?」と思って、驚いた。

思ったほどでもなかったが、読みやすく、読めてよかったです。




「地底旅行」   ジュール・ヴェルヌ  作   平岡敦 訳   岩波少年文庫

地底旅行 (岩波少年文庫)

地底旅行 (岩波少年文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/11/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

地底旅行 (創元SF文庫)

地底旅行 (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1968/11/30
  • メディア: 文庫

ジュール・ヴェルヌの原作で、おもしろい冒険物だと思っていたが、ちょっと自分には合わなかった。(年が行きすぎてた。20代までなら、おもしろかったかも)
半分ぐらいで挫折しそうになった。まさかこんな少人数(三人)で無謀な旅に出るとは思っていなかったのだ。

最初の章タイトルは、「リーデンブロック教授」で、彼が古書の中に挟まっていた羊皮紙を見つけたところから物語が始まる。彼は鉱物学者で、町でも有名な変わり者だ。甥のアクセルと住んでいて、アクセルは(わりと簡単に)羊皮紙に書かれた謎の暗号を解いてしまう。
いてもたってもいられない教授は、あっという間に準備を整えて、アクセルと一緒に地底旅行へ出かける。

実質三人(教授、アクセル、案内人のハンス)で地の底へもぐるだけなので、単調だし、気が滅入りそうになった。
でも、後半、思いがけない展開があって、異世界のようだった。アクセルの文章(彼の一人称で書かれている)がおもしろいし、リーデンブロック教授のキャラが(ハンスも)すごすぎて(人間ばなれしすぎて)、読めるかな。自然描写も迫力がある。

終わり方(脱出の仕方)を予想していたが、まさかのルート(方法)で驚いた。


自然や冒険が好きな人は楽しめると思います。
挿絵もイメージが広がって良かった。(読んでから、アイスランド(物語の舞台)の写真を見たくなった。)



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