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宝塚雪組公演「若き日の唄は忘れじ」「ナルシス・ノアールⅡ」 [観劇]

宝塚雪組全国ツアー公演を大阪の梅田芸術劇場で観てきました。(二階後方席)
これは演目を知った時、絶対観たいと思いました。(おまけに「ベルばら」で観た雪組だし)。
芝居もショーも大好きで、ずっと心に残っていた作品なのです。

良かったですが、やっぱり当時の星組がメンバーとしても最高で、期待が大きすぎたのでしょうか?
少し物足りなかったです。全国ツアー向けの演出というところもありますが、演技的なものが、あまり響いてこなかった。

芝居は「若き日の唄は忘れじ」(原作は藤沢周平さんの「蟬しぐれ」)
話は当時の細かい部分はほとんど覚えていないのですが、最後の場面が、当時の自分の心境とも重なって鮮烈に残っているのです。
この一場面のために、もう一度観たかった感じです。

二人の恋だけでなく、道場の仲間との友情、背景を取り巻くドラマが自然な流れで、わかりやすかった。脚本が良いです。
セットもシンプルだけど、上手く使ってあって、時代物には合っていたと思う。
暗転が多かったのは、少し気になりました。(余韻があるところもあるが)。

主題歌「恋の笹舟」がほんとに良くて、歌だけで泣けてきました。こんなに良い歌だったんだ。
欲を言えば、全体に音響が大きくて、もう少し抑えて、しっとり歌ってもらえたら、もっと良かったと思う。
文四郎が父を運ぶ場面の音楽がロック調(?)みたいで違和感がありました。
見せ場で良い場面なのに、哀しみが半減するみたいだった。

壮さんの文四郎は良かったですが、最後の場面は紫苑さんの演技がよみがえってきて、違和感を覚えました。
壮さんは"きっぱりした悔い"みたいなものを感じて、日本物の情緒に欠けるように思えたのです。(愛加さんの"ふく"も、せりふ回しがマリー・アントワネットとだぶって見えた場面があった)。

"ふく"の愛加さんも、白城さんの情感ある演技と比べると物足りなかった。
江戸へ行く前の葛藤が最後にわかるのだけど、思ったほど感慨がなかった。

お互い別々の人生を歩むようになっても、心の底では未練が残っていて、それが許されない葛藤や、やるせなさなど、秘めていた感情から、過去の二人のドラマや人生の切なさが見えてくるように、初演では思えたのでした。
今回は、二人とも若いというか、最後のやりとりに、年月の重みをあまり感じなかったのです。(それでも泣いたのですが。無駄のない心情あるせりふが素晴らしい)。

印象に残ったのは、武部の未涼さん。説得力があります。
与之助が味があっておもしろかった。
留伊さん、萩さん、おふねさん、みつちゃんなど、女役さんにも目が行きました。


ショーは「ナルシス・ノアールⅡ」
主題歌や音楽が好きで、オープニングにわくわくしたのだけど、次の場面(ギリシア神話?)の衣装(色)がいまいちできれいでなかった。バックの水色(の衣装)がきつすぎる。

初演で好きだった場面(「全ての花より甘く香り」?)が別に差し替えられていて、悪くないのだが、ここでも、音響が大きくて気になった。

マタドールの場面も大好きで(音楽が良い)、楽しみにしていたのだが、セットや振り付けが変わっていたのが残念。(地方公演で仕方ないけど)。
当時の紫苑さんの役は夢乃さんだったけど、未涼さんで観たかったかな。(ダンスが主だから?)
これも日向さんと紫苑さんで観た光と影の戦いや緊張感あるドラマが伝わってこなく、もったいなかった。

若者たちの場面は音響ばかりが大きくて、希望や躍動感が伝わってこなかった。(この場面が未涼さんで、マタドールの夢乃さんと役が逆に思えるのだが)。
次の「オール・バイ・マイセルフ」は「ネオ・ダンディズム!」(2006年)の安蘭さんを思い出してしまい、ここでもドラマを感じられなかった。

物足りないところはあるのですが、地方公演の演目としては良い組み合わせで、初心者にもわかりやすく"宝塚"を楽しんでもらえると思います。


これを書いている途中、何ヶ月か前に夫の家から引き取ってきた(処分を迷っていた)宝塚関係の本を思い出しました。
プログラムが2冊あって、それが何と「若き日の唄は忘れじ」「ジャンプ・オリエント!」だったのです。(もう1冊は同じ星組の「白夜伝説」「ワンナイト・ミラージュ」)
どうして思い出さなかったのか?悔しい。
昔のプログラムは脚本が載っているので、やっぱり当時から印象に残っていて、手放すのが惜しかったのだと思います。

 



 



 

 

 


 


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