母との関係 その2 ―30歳― [ひきこもり]
話が少し戻りますが、話せるようになったのは、前の仕事を辞めて20日間ほどひきこもったことも良かったように思います。
「ひきこもれた」のです。母に怒られることとか"常識"を意識しないで、自分の思い通りに出来たのです。母は怒りながらも、口をきいてくれないとおろおろし出しました。(こんなこと初めてでした)
そんな母に対して私も「いい気味だ」と思っていました。
職業訓練に行って、言葉が出てくるようになると、母に何か言われても自分のことをどんどん話すようになりました。
正しいか間違っているかなんてどうでもいい。母に聞いてもらえなくても、つじつまが合っていなくてもいい。それが今の(当時)自分なんだから。
前の職場で初めて話を聞いてもらえたことで、そう思う自信ができたようでした。
母の方がおかしいという確信も持てたのでした。
仕事は行けるようになりましたが、家の中では話さないか、母と言い合いばかりの毎日でした。
でもそうして声を出すことで、話せるようになったし、どう話せば母の耳に届くか考えるようになりました。
そうして、母の感情に初めてふれたのでした。
姉妹が多い末っ子で、物心ついたときには誰も家を出て、母(祖母)は早くに亡くなり、一人で父(祖父)の面倒を見ていたこと。
姉たちもいなく、人とのまともな話し方なんて知らないこと。
祖父は酒好きですごく苦労したこと。
母は子どもの頃、吃音で、それが元でいじめられたこと。
同様に私が子どもの頃、言葉が出てこないのに、余計、母のようになってはいけないと思い、イライラしたこと。
母と本当の話らしきものができたのは(聞いたのは)これが初めてでした。
私も、たとえけんかでも声を出すことで、(以前書いた)心の便秘状態が軽くなって、そうするとご飯も食べられる(動けて、話せる)ようになった感じでした。
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