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抜け殻になる  ―29歳― [ひきこもり]

前のひきこもりの記事から少し間があいてしまいました。
この頃のことは、自分の気持ちがうまく書けません。

孤独にうずくまって、動けなくなりました。
仕事でも声が出なくなりつつありました。

「その日」は突然やってきました。好きな人が結婚するということでした。
このことで、一気に自分が崩れたのでした。

その人には以前から、ほのめかされたりしても、はっきりと告白されたり、デートに誘われたことはありませんでした。彼の気持ちがどこまでなのかわからず、私も何も言えませんでした。

自分がしなければいけないのは、演技でなく本来の自分を取り戻すことでした。
そうして"自分"をさらけ出せたのは、二度目に結婚をやめた時でした。
でも、それまでも思ったことが言えず、相手に引きずられていました。
少しは話せるようになりましたが、通じず、ほとんど聞いてもらえませんでした。
「話せるようになりたい」と思っていたけど、話せても自分のことは誰も理解してもらえず、人間関係がわからなく、疲れきっていました。

これ以上傷つくと、生きていけなくなりそうでした。
身体に例えると、健康な人が何か細菌に感染しても何ともないのが、病気の人だと命取りになるようなものです。孤独にうずくまっていましたが、それは面会謝絶で集中治療室にいるような感じでした。

仮に告白しても、まともにつきあったり、話せる状態ではなかったのです。
好きな分、また自分を出せず、引きずられて、相手を振り回すのは目に見えるようでした。
そうして、今度は(職場の)周囲の人、皆に責められるような思いにとらわれてしまいました。(自分の妄想ですが、針のむしろのようでした)
そんな矢先でした。

でも、彼を失う方がずっと傷つくことがわかっていませんでした。
頭で考えることと、実際の心のギャップがわかっていませんでした。
ずっと心の支えでした。彼と話したいがために、同じ所まで行けるよう頑張ってきました。
その先はやっぱり結婚したかったのです。ここまでダメージを受けるなんて思ってもいませんでした。
自分が何より怖いのは、彼を失うことだったのです。

抜け殻のようになりました。声が出せなくなりました。話そうとしても、しんどくて肩で息をするぐらいでした。(書類上の仕事が主なので、ぎりぎり保っていましたが)
それでも、すぐ辞めると(好きだったことを)疑われそうで、さらに数ヶ月、頑張ってしまったのでした。



 




 


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