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「グイン・サーガ」の思い出 その2 [本(小説)]

「グイン・サーガ」は昨年、作者の栗本薫さんが亡くなられて、未完に終わったので(現在は別の著者で刊行)、人にはあまりすすめられませんが、自分が本当に夢中になった24巻あたりまでは読んでほしいなと思います。
25巻以降が文体や内容が薄くなった感じですが、かえって読みやすくなったところもあり、そこそこおもしろく読んでいました。

個人的に40巻台がいまいちなのですが、50、60巻台がまたおもしろくて、70巻が自分の中では一つの区切りだったように思います。71巻以降から読むのをやめようかと思いましたが、惰性で最終巻130巻まで買って、読んでしまいました。


内容はとうてい書ききれないのですが、五つくらいの国が絡み合って、戦ったり、滅んだり、といった三国志のような話で、群像劇です。
"グイン"という名の豹の顔を持つ(下は普通の人間)謎の人物が主人公です。他の人は皆、普通の人間です。(魔道師が何人かいますが)

主要人物は20人ぐらい(?)さらに絞ると10人ぐらいです。巻によって、主役や国が入れ替わります。話の筋に絡んだ人は何百人かわかりません。全登場人物は最終的には何人だったのでしょう。(3000人ぐらい?)

とにかく描写が細かいです。国の自然、文化、産業、生活、歴史まで、手に取るようにわかり、舞台風景も映画のように頭にイメージできます。
人物も外見から性格、考え方までよくわかります。
話の展開はもちろんですが、何より人間ドラマが好きなのです。運命の変転によって人物が変化していく様がおもしろいのです。こんなに臨場感あふれる小説は、その後も多分、読んだことがありません。

何百人という登場人物なのに、ちゃんと覚えられるのです。どんな人物で、どんなことがあったか。
(今年読んだ歴史物は、おもしろかったのですが、十数人の名前が混乱して、戦いの過程など頭に入りませんでした。)
最初の夢中になっていた頃は、読んだ次の日はせりふとBGMの洪水で、仕事にならなかったぐらいでした。
昨年、アニメ化もされましたが、動いているアニメより、小説の方がずっと迫力があって、人物も動いて生きていました。

個人的に好きなのは、6巻から10巻までの陰謀編、17巻から23巻までのケイロニア編、53巻から70巻まででしょうか。特に67巻からがすごく好きでした。71巻以降もおもしろい巻はありましたが、前半70巻と比べると後半60巻は、倍以上、内容が薄まったように感じました。最後2、3巻で盛り返して、これからまたおもしろくなりそうになっていただけに、本当に残念です。

三人の放浪者―グイン・サーガ(17) (ハヤカワ文庫JA)

三人の放浪者―グイン・サーガ(17) (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 栗本 薫
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 文庫

豹頭王の誕生―グイン・サーガ(70) (ハヤカワ文庫JA)

豹頭王の誕生―グイン・サーガ(70) (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 栗本 薫
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 文庫


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