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最近の読書 2024年夏 その4 ―覚え書― [本(小説)]

毎日暑い日が続きます。

最近の読書。
また、ドラマ化された現代物です。

桐野夏生さんの「燕は戻ってこない」を読みました。
桐野さんの小説は「柔らかな頬」以来、20年ぶりです。


「燕は戻ってこない」   桐野夏生   集英社

燕は戻ってこない

燕は戻ってこない

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/03/04
  • メディア: 単行本

   
新聞でドラマ化を知って、先に原作を読もうと思ったが、(予約もあって)今になった。
(ドラマを先に見てよかった。)

貧困にあえぐ女性が、不妊夫婦の代理母出産を引き受ける話。
派遣社員の主人公、自らの遺伝子を受け継ぐ子どもを望む元トップバレエダンサーと、その妻、それぞれの思惑が交錯して、変化していく。

人物に感情移入とかは、しにくいが、こういう人はいるだろう、みたいなリアルさがあった。
同じ女性として、考えさせられたり、身につまされるところもあった。

440ページもあるが、先が読みたくてすいすい読めた。ドラマの影響は大きい。
そうでなくても、小説そのものがおもしろかった。(そういう話ではないが)


やっぱりドラマと比べてしまうが、ドラマは原作に忠実だった。
話を知らないので、結構きわどい描写に驚いたところもあるが、どうなるのかとひきこまれた。

ドラマで印象に残ったのは、基が自分の遺伝子を継いでいない子かもしれないが、リキに産んでほしいと言うところ。その前の、ダンサーである教え子の親とのやりとりで、遺伝子でない、子どもの可能性みたいなものに気づくところ。
これは原作にない話だった。

原作の方が、人物が自分勝手な印象を受けるかな。
ドラマの方が、心の変化が繊細に描かれていて、納得できるし、理解もしやすかった。

脚本家の方に、またもや感心しました。(朝ドラ「らんまん」の方なのだ。今、遅れて見ていて、感心していたところだったのです)

小説より、ドラマの感想になった感じだが、ドラマ化で興味を持ったので、読んでよかったです。


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