SSブログ

「中高年ひきこもり」 斎藤環 著 [本(新書/心理・教育)]

久しぶりに「ひきこもり」に関する本です。

長年、心の問題に悩んできて、斎藤環さんの名前を知ったのも、自分が一番苦しんでいた23、4年前とぴったり重なるのですが、著作を読むのは初めてです。

中高年ひきこもり (幻冬舎新書)

中高年ひきこもり (幻冬舎新書)

  • 作者: 斎藤 環
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 新書


タイトルから、自分と同年代の人のことがわかるかと思ったのですが、内容は中高年というより、一般的なひきこもり論や支援についてだった。
第二、三章「ひきこもりをめぐる10の誤解」や第四章「家族のための対応のヒント」が書いてあるが、苦しんでいた自分からすれば、当たり前のことばかりで、ひきこもりのことを知らない人の入門書みたいだった。

わかりやすくて、頷くところも多かったが、「対応のヒント」は、あくまで「ヒント」で、鵜呑みにしない方がいいのでは?と思った。(暴力の拒否は絶対だが)
ひきこもりといっても、心の状態は一人、一人違うのに、第一人者の人が言っているのだから、と取り込んでしまうタイプの支援者(?)が、自分の場合ほとんどで、余計傷つくのだった。(当時は「ひきこもり」という概念自体、自分にもわからない)

ひきこもりは大半は、自分の経験から、親との関係(親に教えられた人間関係)が根っこにあると思ってしまうのだが、それが修正されたり、体感みたいなものを実感できれば、軽い段階では良くなっていくのでは?・・・(なんて、今だから言えるので、当時はやっぱり堂々巡りみたいに考え続けていた。)

本書で、同感なのは
ひきこもりの人とは「困難な状況にあるまともな人」
ひきこもりは「甘え」ではないこと。(むしろ逆の場合も)
「いじめPTSD」が原因のケース。
ひきこもりは自力では解決できない。第三者の関与が必要。
親密な関係を通じて承認欲求を満たす。等

ひきこもりの出口は就労ではなく、「本人が自分の現状を肯定的に受け止め、主体的に動けるようになること」
「(就労)動機」は自分自身で発見したもの。家族や支援者の仕事は「動機を与える」ことではなく「動機の発見を助ける」こと。
というのは自分にも重なる。

「欲望の回復」というのは、発見だった。

対話を継続していくと、改善や治癒が勝手に起きてくる。
指示や説教が当事者の力を奪う。

これらは「ひきこもり」に限らず、「子育て」や「人間関係」にも通じると思うのだが、現代でこういう育てられ方をした子どもは、下手をすると浮いてしまうのでしょうか?

自分のことですが、人間関係や内面について、話をしたいと思っても、深く話したり、対立を回避したいのか、簡単に処理されたり、遮られる雰囲気です。
つらいことや自分の内面を話そうとしても、「忘れよう」「心療内科に行ったらいい」「今は大丈夫なのだからいいじゃない?」「誰だってそうだ」こんなことを言われます。(少し聞いてほしいだけなのに・・・)

「大人」だと、ますますケアもされにくく、こういう人間関係が大人の「ひきこもり」や「いじめ」を生み出しているようにも思えます。
話をしたら、それほどこじれるようなことでもないと思うのにどうして?と思うことが、(周囲でも)最近多くなってきました。

「ひきこもり」を理解してもらうにはわかりやすい内容だが、本当に苦しんでいる親や当事者にはどうなのだろう?と思いました。









nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。